奥多摩の紅葉について調べると、「10月下旬から11月下旬」というような幅の広い答えが返ってきます。これは情報が曖昧なのではなく、奥多摩町のなかで標高差が大きいため、実際に1か月近くずれるからです。
同じ週末に町の奥と手前の両方が見頃、ということはまず起こりません。どこを見に行くかを先に決めて、そこの標高から時期を逆算する。これが奥多摩の紅葉を外さないいちばん確実な方法です。
標高で時期がずれる、という前提
紅葉は気温が下がった場所から順に始まります。奥多摩町は低いところで標高300メートル前後、高いところは1,000メートルを大きく超えます。おおまかには、こう考えておくと計画が立てやすくなります。
- 標高の高い山の上のほう: いちばん早く色づきます。10月のうちに見頃を迎えることがあります
- 湖の周辺や中腹: 10月の終わりから11月のはじめごろ
- 駅の周辺や渓谷沿いなど低いところ: いちばん遅く、11月の中旬から下旬にかけて
「奥多摩の紅葉」ではなく「どこの紅葉」で調べると、時期の見当が一気につけやすくなります。
その年の夏から秋にかけての気温でも前後します。猛暑が長引いた年は遅れがちで、冷え込みが早い年は前倒しになります。1〜2週間の幅は当たり前に動くものだと思っておいてください。
行き先のタイプで選ぶ
奥多摩の紅葉スポットは、大きく3つのタイプに分けられます。歩く量も、混み方も、見える景色もかなり違います。
湖の周りを見る
奥多摩湖のまわりは、水面と山の色が一緒に見えるのが強みです。車でも回れて、駐車場や展望できる場所が点在しています。歩く距離を自分で調整しやすいので、体力に自信がない人や小さい子ども連れでも組み立てやすいタイプです。
渓谷沿いを歩く
川に沿った遊歩道を歩くタイプです。上を見上げる紅葉と、水の音を一緒に楽しめます。駅から歩き出せる区間があるのが大きな利点で、電車で来るならこのタイプがいちばん相性がいいです。足元が濡れて滑ることがあるので、靴だけは慎重に選んでください。
山に登って見る
いちばん早く色づくぶん、見頃を狙いやすい一方で、しっかりした装備と時間が必要です。11月に入ると日没が早く、山の上は都心より体感でずっと寒くなります。[ハイキングの基本](/articles/okutama-hiking-shoshinsha)を押さえたうえで、余裕のある行程にしてください。
混雑と渋滞をどう外すか
紅葉の時期の奥多摩は、一年でもっとも人が集まる季節のひとつです。とくに11月の土日は、道路の混雑が計画を壊す最大の要因になります。
車で行くなら、次の3つを守るだけで一日の質がかなり変わります。
- 朝早く着く: 午前中の早い時間に現地に入ってしまう。昼前後に向かうと、渋滞と駐車場待ちで見る時間が削られます
- 帰りを早めるか、遅らせる: 夕方の同じ時間帯にみんなが帰ります。日没前に切り上げるか、あるいは[温泉](/articles/okutama-higaeri-onsen)や食事をはさんで時間をずらす
- 平日に行けるなら平日にする: 見頃の平日は、同じ場所とは思えないほど静かです
電車の場合は渋滞と無縁なぶん有利ですが、帰りの本数が少ないという別の制約があります。最終の時刻は行く前に必ず確認して、そこから逆算して行動してください。詳しくは[電車でのアクセス](/articles/okutama-access-densha)にまとめています。
秋の装備で気をつけたいこと
紅葉の時期の奥多摩は、都心の感覚で服を選ぶと確実に寒い思いをします。
- 重ね着で調整する: 昼と朝夕の気温差が大きく、日陰に入るだけで体感が変わります。脱ぎ着できる一枚を必ず持っていく
- 日が暮れるのが早い: 11月は16時台で薄暗くなります。山や谷では周囲が暗くなるのはさらに早い。小さなライトがあると安心です
- 靴: 落ち葉の下は濡れていることがあり、想像以上に滑ります。歩く予定があるならスニーカーより滑りにくい靴を
- 昼ごはん: 混雑期は店も並びます。[ランチの組み立て方](/articles/okutama-lunch)を参考に、持参も選択肢に入れておくと崩れません
見頃の情報は「その年」を確認する
この記事に書いたのはあくまで時期の考え方です。実際に「今どのくらい色づいているか」は、その年ごとに確認する必要があります。
奥多摩町や観光協会が出す情報、現地の施設が発信する色づき具合の情報を、出かける数日前に見るのがいちばん確実です。イベントの開催日や駐車場の運用も年によって変わるので、日程・料金・交通規制は必ず公式の発表を確認してください。
計画の立て方さえ間違えなければ、奥多摩の紅葉は都心から日帰りで行ける範囲としてはかなり贅沢な部類です。「どこを見るか」を先に決めて、そこの時期に自分を合わせにいってください。
